見過ごされがちだけど重要な「看板に掲載すべき情報」とは?

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看板というのは、通常じっくり見てもらえるものではなく、数秒しか見られない広告です。
この「数秒間」で認識できる情報というのはかなり限られてきます。看板のデザインや掲載内容を考える際に、数秒間しか見られないことを踏まえて伝えるべき情報を整理する必要があります。

看板で伝えるべき情報は「何を診られるクリニックか?」

医院前の看板や広告を目的とした野立て・駅看板の場合、通常最も伝えなければいけない情報は「何を診られるクリニックか?」ということです。当たり前に感じるかもしれませんが、この原則が守られていない看板が意外と多くあります。

例えば、ある泌尿器科の先生が、「泌尿器科」という科目は受診するのにためらいがあるだろうと考え、クリニック名を「ウロロジークリニック」としました。看板にも大きく「○○ウロロジークリニック」と目立つように掲載しましたが、開院して1年が経過しても1日15人程しか患者様が来ませんでした。

そこで当社にご相談いただき、看板をリニューアルすることを決心されました。
看板には「頻尿・残尿感・前立腺がんの検診」と何を診ることができるかを大きく掲載しリニューアルしました。
すると反響はすぐに表れました。看板の施工が完了した際に歩いていた女性が
「すごいわかりやすくなったわね!ここ何のクリニックかわからなかったのよー!すごいよくなった!」
と話しかけてこられました。

また翌日には新規の患者様に「最近開院されたんですか?」と聞かれたそうです。
結局その泌尿器科様は看板リニューアル後3ヶ月で1日の平均患者数が20名増加されましたが、本当に看板の掲載内容が患者数に大きく関わるというわかりやすい事例だと思います。

クリニックの名称の中に診療科目が入っているケースも多くあると思いますが、その場合も、診療科目を大きくしたり、色を変えたりして、少しでも読みやすく、見つけやすい状態にすることをお勧めします。

患者様は自分の症状が何科で診てもらえるかわかっていない

泌尿器科だけでなく、もちろん内科などの場合も診療内容を詳しく載せた方が良いです。医院名看板の他にも、診療内容を紹介する看板に「発熱や咳などの体調不良全般」や「糖尿病治療」など対応している内容を具体的に書くことをお勧めします。

なぜなら当社で内科に関して一般の方がどんな疑問を持っているかマーケティング調査を行った際、1,000件の回答中最も多かったのは「自分の症状が内科で診てもらえるものかわからない。何かへ行けばいいのか」という疑問だったためです。

例えば「喉が痛いけれど、内科に行けばいいの?呼吸器科に行けばいいの?それとも耳鼻咽喉科?」や「お腹が痛いけれど、内科と消化器内科どっちに行けばいいかわからない」などです。

医師にとっては、当たり前の事も患者様にとっては、わからない事だらけである場合が殆どです。当たり前と思う事も丁寧に看板に掲出する事で、患者様との接点を増やす事ができます。

スタンド看板を集患につなげる秘訣

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スタンド看板のメリットは主に下記の3つです。

<スタンド看板のメリット>

  • 通行者の目に留まりやすく、また近づいて見てもらえる。
  • 2階以上のテナント物件などのクリニックでも、道路に面した場所に広告が出せる。
  • 自立看板を基礎工事から行うのに比べて非常に安価で気軽に広告が出せる。

上記のように気軽に身近な看板として設置しやすいスタンド看板ですが、今回の記事では特に1つ目の「通行者の目に留まりやすく、また近づいて見てもらえる。」について詳しくお話しします。

歩行者は、通常歩行時には自分の目線よりも少し下を見ながら歩いています。そのため、視線があまり高いにはありません。
ですから、スタンド看板はビルの高い位置に設置された袖看板などよりも、歩行者の視野に入りやすく、存在に気付かれやすいのです。またスタンド看板は近くで見てもらえる看板ですので、比較的多くの情報を入れることも可能になります。

ビル診で院内の様子の分かりにくいクリニックであれば、院内写真をスタンド看板に掲載することで患者様の来院のハードルを下げることができるためオススメです。

ただそれだけではスタンド看板を最大限活かしきれているとはいえません。
是非活用していただきたいポイントとして、スタンド看板にパンフレットなどを設置しておく方法です。

スタンド看板にパンフレットを設置した方が良い理由とは?

クリニックの場合、飲食店などのように、「良さそうだから入ってみよう」とすぐに店の中に入ってもらうのではなく、実際に体調が悪くなったり怪我をしたりしてはじめて行こうと考えるものです。そのため、いかにクリニックの存在を憶えてもらうのか、もしくは思い出してもらうかが来院していただくカギとなります。

もし、スタンド看板でクリニックの存在に気付いてもらい、「良さそうなクリニックだな」と感じた際にパンフレットがあれば、患者様もより詳しい情報を得ることができ、パンフレットを家に持って帰ってもらえます。

そうすることで、看板には掲載しきれないクリニックの情報や先生やスタッフ、院内の写真などを知ってもらうことが可能になります。
外から見るだけでは、クリニックの中がどのような雰囲気かわかりませんし、先生がどのような人かもわからないため不安があります。しかしパンフレットがあることでそういった不安を解消できるため、来院のハードルが下げることができます。

またパンフレットを家に持って帰ったいただくことで、ご家族や友人にも紹介もしてもらいやすいという利点もあります。
スタンド看板を設置する際には、パンフレットも合わせて設置することで、より効果的な広告となります。

クリニックの「窓」を広告スペースとして活用する!

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クリニックの「窓」は見落とされがちですが重要な広告スペースであり看板として活用できます。ビル診で2階以上のクリニックはもちろん、1階の場合でも間口全体がガラス張りの場合は、通行人に対して訴求できるため非常に重要です。

目隠しとしてすりガラスシートを張っているだけでは印象に残りにくく、施設としての存在感も薄くなります。しかし、全面を広告スペースとして活用することで、一気にクリニックの存在感を高めることができます。

よくこうしたお話をいたしますと、
「シートを貼ると院内の様子がわかりにくくなり入りにくくなるのではないか」
「日光が遮られ院内が暗くなってしまうのではないか」
と心配なさる先生がいらっしゃいますが、院内の様子はシートの範囲を調整して、患者様のプライバシーを保護できる範囲で、上下に空いたスペースを作れば、待っている方々の足元や照明のついた天井など、営業している気配や様子、賑わい感を伝えることができます。

また、日光については透過性のあるシートを使えば、完全に光を遮ってしまうことはありません。18時以降なども診療されるクリニックであれば、院内の光を透過してウインドウの文字が日中以上に目立つ可能性もあります。

掲載内容については、よくある症状・疾患・検査内容など、通行人が見てこのクリニックがどういう診療をしているのか、何ができるのかが一目見てわかるように情報を出すと効果的です。

ウィンドウシートは比較的安価に設置できる!

またこのウィンドウシートは、立地やシートの種類にもよりますが、大型の看板取り付けにくらべて価格が比較的安価に抑えられやすい傾向があります。他の看板と違い、多少面積が大きくなっても比較的安価に施工でき、クリニックの印象も大きく変わるため、クリニックのイメージを安価にリニューアルしたいと考えている方にはおすすめです。

例外的に施工費が高くなるケースととしては、主に下記3つのケースが挙げられます。

<施工費が高くなるケース>

  • 高層階のウインドウに外側から貼り付ける場合
  • 老朽化したシートがもともと貼られているところに新設予定であり、剥がす作業が難航することが予想される場合
  • こだわって透明シートに特殊インクを使用して制作する場合

また、「網入りの窓」と言われるガラスに黒い線が入っている窓は、ウインドウシートの施工が難しい場合もありますので、注意が必要です。

日光によってシートが温められるとシートが膨張し、その膨張に耐えられずにガラスが割れてしまう場合があるからです。特に老朽化したガラスや強度の低い網入りガラスを使っていて、直射日光が当たりやすい立地では注意が必要です。「クリニックモールの廊下に面している部分の窓」などで、日光が当たらない場合は施工可能です。
これらに関しては、看板業者に事前に確認すると良いでしょう。

古い看板=悪いイメージの広告

看板のデザインと同様に重要なのは、看板の“鮮度”です。
鮮度が悪い看板とは、例えば

  • 汚れている
  • 日に焼けて色があせている
  • 破れたり壊れたりしている
  • 電球が切れている
  • 劣化して剥がれてきている

などです。
これらを放置しておくとクリニックにとって大変なマイナスイメージになってしまいます。
院内が清潔で院長先生も丁寧な診療をしており、最先端の医療機器を使用していたとしても、看板が汚れていたり、古かったりすると

  • 「不潔で非衛生的なクリニックなんじゃないか」
  • 「営業していないと思っていた」
  • 「最先端の医療が受けれそうもない」
  • 「看板を修理するお金もないくらい流行っていないのではないか」
  • 「こんな看板をそのままにしておくなんて、いろいろなことに無関心な先生なのか」

などと勝手なマイナスイメージを持たれてしまう可能性が高まります。
というのも、看板や外観はクリニックの「顔」であり、まだ来院したことがない方にとってみれば看板や外観が印象を決定づける数少ない要素の一つです。

たとえHPなどに力を入れていても、看板や外観のイメージが良くないと、わざわざHPを見ようと思わなかったり、HPがあることすら想定されないケースも発生します。

看板を一新すれば新規患者数は増加する

弊社がご支援している整形外科クリニックで、開院して26年が経ちご子息へ承継を考えている院長がいました。
看板は古く汚れており、夜には照明が点灯するのですが、蛍光灯が一部切れてしまっている状況でした。

外観はいわゆる「昔のクリニック」といった印象で、現在診療しているかどうかもわからず、月のレセプト枚数は500枚/月をきり、毎年目減りしているような状態でした。 新規患者数は月に数人、ほとんどがご家族からの紹介といった方たちでした。

しかし、ご子息への承継にあたってクリニックの外観と看板をリニューアルし、イメージを一新したところ、新規患者数が月に20人を越えるようになりました。 まだ完全に承継をする前で、院長が変わると告知をしたわけではなく、看板・外観をリニューアルしたタイミングでこれだけの反響があったことに、院長もご子息も驚かれていました。

看板を変えるだけで、患者様から見えるクリニックのイメージは大きく変わり、そして実際に新患数にも変化が出たという事例でした。
それもそのはずで、クリニックの前は大通りというわけではありませんが、毎日それなりの交通量のある道路だったのです。通勤・通学や日常生活においてその道を使用する地域の人々は、毎日「自宅→目的地」「目的地→自宅」と2回クリニックの前を通過していくことになります。

これは、ある種ものすごい数字です。もちろん立地によりますが、看板や外観というのは、毎日大勢の人目に触れる「広告」なのです。

注目度をUP!効果的な看板設置の4つのコツ

看板は誰かに見てもらうために設置するものです。
「誰か」とは、その看板が対象としているターゲットを指し、具体的にあげると下記のような人たちのことです。

  • クリニック側の道にいる歩行者
  • クリニックとは反対の道にいる歩行者
  • 自転車に乗っている移動している人
  • 交差点で信号待ちをしているドライバー
  • バス停でバスを待っている人
  • 駅のホームに立ち、向かいの建物を眺めている人

上記にあげたように、看板の対象にはさまざまな状況の人が想定されます。

同じロードサイドに設置する看板でも、歩行者を対象としたものとドライバーを対象にしたものでは、掲載情報やデザインが大きく変わります。

看板の効果を上げるためにはそのターゲットに合わせた工夫が必要となります。


見つけてもらえる看板にはルールがある!

ルール1. ドライバー向け看板の場合「7秒手前から発見される」場所に設置

ドライバーがクリニックの存在に気づき、駐車場に入ろうとするには、一般的に「約7秒」必要だとされています。例えば、制限時速が40kmであれば、クリニックより80m手前で看板が発見される必要があります。

また、この7秒という数値は急ぎ足の歩行者に対しても同様です。 7秒手前の位置から発見されなければ、内容を認識されずに通り過ぎてしまう可能性が高いのです。

ルール2. 「進行方向に対して直角」に設置

通常、歩行者もドライバーも進行方向を真っ直ぐ見ています。 したがって看板は、基本的に進行方向に対して直角に設置した方が効果的です。歩行者の視点を最優先にすることは、看板設置の基本。

しかし、意外とこの歩行者視点を意識していない看板が多いのが現状です。 進行方向の目線に対しては、道路上の突き出し看板が有効です。東京都の広告条例では、敷地外も1m 以下なら車道や歩道上に看板を掲出できます(道から看板の底辺までの高さが、車道は4.5m、歩道は3.5m 以上必要となります)。

ルール3.クリニック名より「診療科目」を先に伝える

よくある看板の失敗例は、「クリニック名が大きく表記されていて、何の病気を診てくれるクリニックなのかよくわからない」というもの。重要なのは、医院の名前より『何屋さんなのか』という情報です。

「整形外科 ●●医院」というように、まず何を診てくれるクリニックかを知ってもらいましょう。 また、英語表記は伝わりにくいということもポイント。デザインが良いからといって英語表記の看板にすると、クリニックの認知度が大きく下がる可能性があります。

ルール4.可読性を意識する

可読性とは、「離れた距離から文字が読めるかどうか」ということです。前述の「7秒前から見つけることができるか?」という考えに基づいた設置位置から、パッと見たときにストレスなく読めて、クリニックの存在をしっかり認知してもらえる大きさの文字と書体を選ぶことが大切です。 特にクリニックの場合、ご高齢の方が多いため、文字の読みやすさはとても重要な要素となるのです。

まとめ

このように、単に看板といってもなんとなく置けばいいというものではありません。 「誰に見てもらいたいのか?」という視点で改めて看板の設置箇所を検討されてはいかがでしょうか?

口コミが広がって患者さんが集まるクリニックにするには?

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どんな患者さんも、クリニックを選ぶときは、自分の症状に対して、知識や経験があって、安心できる医師がいるところにいきたいと思うものです。そのような思いでクリニックを選ぶとき、患者さんは、口コミや看板、ホームページなどで得られる情報ですべてを判断してしまいます。

つまり・・・地域に自院の良さが、どれだけ伝わりやすくなっているかで、
それを知って、来院しようと思う患者さんの数も変わってくるのです。


クリニックを知ってもらう機会を増やせば、
口コミはもっと広がりやすくなります。

院長先生の診療も、スタッフの対応も良いのに、患者数が伸び悩んでいるクリニックは、口コミが広がりやすくなる仕組みづくりがうまくできていないのかもしれません。口コミがあったとしても来院してもらえるとは限らないのです。

口コミされた側は「どんなクリニックかな?」と一度検索してみるかもしれません。
もし検索した時に

  • ホームページがない
  • ホームページはあるが、情報が少なく何がいいかわからない

などであれば、「やっぱり他のクリニックにしよう」と違うクリニックに行ってしまうかも知れません。自然に発生する口コミを期待して待ってるだけでは、 なかなか患者さんは増えません。 その口コミ効果を補うように、地域との接点をたくさんつくっていった方が患者さんは集まりやすくなります。

院内で診療して患者様を待っているだけではなくて、地域の人にクリニックの魅了・どういうことができるかというようなことを様々な手段をもって伝えていく事が大切です。広く伝われば伝わるほど新患も来やすく、口コミも広がりやすくなります。

患者様は外で得た情報でしかクリニックを選ぶことはできません。クリニックの方からそういった情報を積極的に発信していくことで、結果的に患者様のよりよいクリニック選びに繋がります。

クリニックのことを知ってもらい、
憶えてもらう機会を増やしましょう。

例えば、パンフレットを受付に置いていることはあっても、院外に置くことは少ないのではないでしょうか?

クリニックのことを手軽に、そしてもっと確実に、 知ってもらう方法として、パンフレットはとても使い勝手が良いアイテムです。また、地域の方が集まる場所や公共の施設に、置かせてもらえるか確認を取れば、許可をいただけるケースも多いので、できるだけ院外でもクリニックの魅力を知ってもらえるよう、その機会づくりをしていきましょう。

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来院までのプロセスを作って計画をつくります。

来院設計図

どのような接点をつくって、自院を知ってもらい、来院してもらえればいいのか?
患者さんのパターンをいくつか想定して来院までのプロセスを整理します。
これをもとに必要な看板やホームページを計画して形にしていきます。

CASE STUDY
訪問リハビリをしていることを地域に知らせたい

ご相談の背景
クリニックで通院困難になった患者さまも引き続きリハビリをしていけるようにと開始した介護保険サービスの訪問リハビリ。しかし、現在通院中の患者さま、地域の方々、ケアマネージャーも含め訪問リハビリの認知度がかなり低いという課題がありました。
そこで看板に訪問リハビリの内容を掲載するだけでなく、パンフレット、ホームページにより詳しい内容を掲載。看板を活用し、来院されている患者さまだけでなく、歩行者の方にもより詳しい内容を知ってもらえるよう看板、パンフレット、ホームページを連動させました。

看板制作のポイント1

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看板とパンフレットを連動

訪問リハビリを実施し始めましたが、それがどういった方を対象とした、どのようなサービスなのかを地域の人に発信しにくいというご相談をうけました。そこで訪問リハビリの内容を理解していただくためのパンフレットを作成しました。院内にパンフレットを置くだけでなく歩行者の方にも知っていただくため、置き看板を設置し歩行者の方にも知ってもらえるよう看板を活用しました。

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看板やパンフレットだけでは訪問リハビリに関して掲載できる内容は限られてきます。
そこで、ホームページがあることを知ってもらうため看板に検索窓を掲載しました。

ホームページには訪問リハビリをすることのメリットや、どのような方が対象となるのか、また申し込みの方法などを詳しく掲載しています。またこのホームページへの連動は看板からだけでなく、上記のパンフレットにもURLを掲載しさらに詳しい情報を知りたいと考えている方を誘導しています。

まとめ

このように看板だけですべてを解決しようとするのではなく、看板と他の広告媒体を連動させ、患者さまをクリニックのより深い情報にまで誘導していくシナリオを作成することで、より効果的に患者さまにクリニックのことを知ってもらうことができます。